南太平洋諸島との国際交流・救援ボランティア

国際ボランティアNPO法人南太平洋協会

フィジー共和国 : Republic of Fiji

面積 1万8,270平方キロメートル
人口 約87万5千人
首都 スバ
民族 フィジー系、インド系、その他
言語 英語、フィジー語、ヒンディー語
宗教 主にキリスト教

■内政

  • (1)フィジーは主に先住民フィジー系と英国植民地時代に移住してきたインド系住民からなる社会であるが、政治面ではフィジー系の優遇政策がとられてきたこと等により、民族間の政治的対立が存在し、独立以来現在まで数度に亘りクーデターを経験している。
  • (2)2006年5月の総選挙で再選を果たしたガラセ(フィジー系)政権は、労働党を含めた複数政党内閣を組閣し、フィジー系、インド系の対立の 改善をはかる姿勢を見せたものの、2000年の議会占拠事件関係者への恩赦等をめぐり、同関係者の徹底的糾弾等を求めるバイニマラマ国軍司令官との対立が 同年10月頃から深刻化。同年12月、同司令官は行政権の奪取と非常事態宣言を施行し、無血クーデターを断行した。2007年1月、同司令官が暫定首相に 就任し、暫定内閣が発足した(その後2008年1月に内閣改造、閣僚数は従来の17名(含む首相)から13名に減少)。
  • (3)2007年5月、事態の収束等を受け、暫定政権は非常事態宣言を解除した。また、フィジーの民主化に関する共同作業グループが太平洋諸島 フォーラム(PIF)に設置され(2007年4月)、民主化に向けたロードマップが策定された。これを踏まえ、暫定政府は2007年10月のPIF首脳会 議(於トンガ)において、2009年3月までに総選挙を実施することを公約した。
  • (4)しかし、2008年6月、同暫定首相は上記公約は実施不可能と表明、2009年1月のフィジー問題に関するPIF特別首脳会合(「バ」暫定 首相欠席)では、フィジーが本年末までの総選挙日を設定し、かつその選挙日を5月1日までに対外的に公表しない場合には、フィジーのPIF各種会合への参 加資格停止等厳しい措置を検討するとの内容がコミュニケに盛り込まれた。
  • (5)これに対し、フィジー政府は、「選挙制度改革が先決であり選挙はその後である」との立場を主張し、5月1日までに上記コミュニケに沿った行動をとらなかったため、翌2日からフィジーのPIF関連会合への参加資格が停止された。
  • (6)2009年4月、控訴審判決(バイニマラマ暫定首相率いる暫定政権は非合法であり、大統領に対して、新たな暫定首相(caretaker Prime Minister)及び暫定政権(Interim Government)を任命することを命じたもの)を受け、イロイロ大統領はバイニマラマ国軍司令官を今後5年間の政権の首相に任命し、2014年まで に総選挙を実施するよう指示するとともに、現行憲法の廃止(abrogation)及び全裁判官の罷免を行い、出版・放送への制限なども含む緊急事態令を 発布した。
  • (7)2009年7月、バイニマラマ首相は「変化のための戦略的枠組み」(A Strategic Framework for Change:2014年9月の総選挙実施に至るまでのロードマップ)を発表。このロードマップによると、2012年9月から2013年9月にかけて新憲 法を策定し、2013年9月から約1年間かけて総選挙準備を行うとしている。
  • (8)また、2009年9月、フィジーは英連邦閣僚行動グループ(CMAG:Commonwealth Ministerial Action Group)が求める民主化プロセスに応じなかったため、同日付でフィジーは英連邦から完全に資格を停止(fully suspended)された。
  • (9)2012年1月,バイニマラマ首相は緊急事態令を解除した。また、3月には、2013年の2月末までに新憲法を策定するプロセスについて発 表した。12月、憲法委員会ガイ委員長が新憲法草案を大統領に提出。2013年3月、フィジー政府は政府独自の新憲法草案を公表し、国民からの意見を公 募。2013年9月、フィジー政府は新憲法を公布。2014年3月、バイニマラマ首相が国軍司令官を辞任。

■外交

従来より、豪州、ニュージーランド及び南太平洋諸国との協力関係を重視。しかし、2006年12月のクーデター発生以降、豪州、ニュージーランドとの関係が冷え込む中、近年では中国、ASEAN、アラブ諸国等との関係を重視。

 フィジーの首都スバには、PIF(太平洋諸島フォーラム)事務局、USP(南太平洋大学)など多くの地域協力機関及び国際機関のオフィスがあり、フィジーはこれらの機関で中心的役割を果たしている。

 国連、英連邦、太平洋諸島フォーラム(PIF)などの加盟国であるが、現在は英連邦及びPIFから参加資格を停止されている。また、パプアニュー ギニア、バヌアツ、ソロモンのメラネシア地域の各国から成るメラネシア先鋒グループ(Melanesia Spearhead Group)の加盟国。

■経済

経済成長率は、2006年12月のクーデター直後の2007年にマイナス6.6%を記録した後、2008年には0.2%と改善したが、2009年の経済成 長率は砂糖産業の衰退及び世界経済危機等の影響によりマイナス3%と落ち込んだ。特に、長年にわたりフィジー経済を支えてきた砂糖産業は、機械の老朽化等 の問題がある。2013年のフィジー経済はおおむね安定。

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